「気持ちを言葉にするといい」と聞いたことはあっても、実際にどうすればいいのか分かりにくいものです。この記事では、感情の言語化という考え方を、身構えずに試せる形で紹介します。効果を約束するものではなく、合う・合わないは人それぞれ、という前提でお読みください。
今の気持ちを、一行から記録してみる
気持ちを記録する「感情の言語化」という考え方
感情の言語化(affect labeling)は、心理学で研究されてきた考え方のひとつで、今の気持ちに近い言葉を当ててみることを指します。ここで大切なのは、正しい病名や正解を探すことではない、という点です。
- 目的は「正しい名前を当てる」ことではない
- 今の自分に近い言葉を、仮に選んでみるだけでいい
- 言葉にならない部分は、残しておいていい
研究で語られている考え方を参考にしていますが、効果には個人差があり、すべての人に同じ変化が起きるわけではありません。
なぜ「モヤモヤ」のままだと扱いにくいのか
気持ちがひとかたまりのままだと、自分でも輪郭がつかめません。そこで、無理のない範囲で少しだけ言葉を添えてみる、という発想です。
- 「モヤモヤ」を、「気まずい」「置いていかれた感じ」など近い言葉に寄せてみる
- 複数の気持ちが混ざっていれば、混ざったまま並べてみる
- しっくりこなければ、そのままにしておく
穏やかに試す3つの問い
うまく言葉が出てこないとき、こんな問いが手がかりになることがあります。答えを出す必要はありません。ひとつ試すだけで十分です。
- 今、体のどこかに感覚があるか(胸、肩、お腹など)
- 直前にどんな出来事があったか
- どの言葉なら、少しだけ近いと感じるか
感覚、出来事、近い言葉を順に書く具体的なメモの作り方は、気持ちを言葉にできないときの感情メモで紹介しています。
問いを手がかりに、気持ちを一度置いておく
気持ちを記録する続けることを目的にしない
「毎日続ける」を目標にすると、書けなかった日に自分を責めてしまいがちです。
- 書きたいときだけでいい
- 一語だけの日があっていい
- やめても気にしない
続くかどうかは、うまくいっているかどうかとは関係ありません。
気持ちを「置いておく」ための道具として
そっとこは、この「気持ちを言葉にして、いったん外に置く」を、30〜90秒くらいでできるように作った小さなアプリです。
- 近いと感じる感情の言葉を選ぶ
- 短い言葉を、書きたい分だけ残す
- アカウント不要・記録は端末内のみ(サーバー送信なし)
- 全削除・書き出し・履歴を残さないモードをいつでも実行できる
助言や分析はしません。「変わらなくても大丈夫」を、ふつうの結果として扱います。もし合いそうなら、静かなときに開いてみてください。
今の気持ちを、そっと置いておく
気持ちを記録する本記事は感情の記録・言語化という考え方を紹介するもので、医療上の診断・治療を目的とするものではありません。気持ちがつらく、日常生活に支障を感じるときは、専門の相談窓口や医療機関に頼ることも選択肢のひとつです。